◆ヤマハ発動機 堀川 隆延 監督
「生き残りを賭けた本当のサバイバルマッチ」
1)残り2試合、ここまでの戦いを振返って(きつかった時、順調な時)
今年は非常に怪我人が多かった年だったと思います。とくにシーズン序盤戦ですね。外国人選手もそうですし、主力選手の怪我が結構多くて、なかなか15人をキチッと思った様なメンバーを組めなかった時期があったので、そういう時期を乗り越えて、今、怪我人も戻って来て、チーム本来の力をだんだん発揮し初めて来たところじゃないのかなと感じています。怪我人はバックスの選手に多かったですね。
序盤がちょっときつくて、中盤から波に乗り始めて、第3クールに入って神戸にはやられましたけれど、自分たちが目指しているラグビーのスタイル、やりたい様なラグビーがだんだん出来始めて来ているなと思います。
(Q:96-0の試合もありました)
あれは取るべきところでしっかり取れて、意図的にスペースにボールを運んでというラグビーが出来たので、結果に関しては満足出来るゲームでしたね。
2)現状のチーム状況は?
今、怪我人も4~5人ぐらいしかいませんので、かなり充実していると思います。
(Q:怪我人が多かったのは何か原因がありますか?)
これは、分からないですね。2年前、45人中20人ぐらい怪我していた年もあったんですね。その前の年は怪我はまったくなくて、15人がゲームに出ますけれど、13人ぐらいは1シーズン固定したメンバーでずっと行けていたので、安定した力を発揮することが出来ました。だんだん主力選手が年齢を重ねていたりして、選手の過渡期だったのかなぁという気はするんですけれど、そういう苦しい状態の中なんですが、今年は新人選手が4~5名ぐらいですかね、ゲームメンバーの15人の中に入って来て、いろいろな経験を積めたということは、非常に良かったのかなと思います。
3)今期のチームの最大の特徴は?
やりたいラグビーは、とにかくボールを動かして行こうということで、今シーズン「リレントレス」というスローガンを掲げました。要するに「ノンストップ・ラグビー」、絶え間なく動き続ける様な、止まることがなくボールを常に動かし続けるラグビーですね。動かすだけではなくて、スペースにボールを動かすというところで、そのスペースをどうやって作って行くのか?意図的にディフェンスを操作して行く、そういうアタックをしようということです。ですので中盤から後半戦にかけて、そういうラグビーが少しずつ出来つつあるのかなという状態ですね。
(Q:常にボールが動いているということは、体力的なことも選手の瞬間の判断力も強化しないと出来ないですよね?)
そうですね、いちばん大事なのは“パス”、パスの能力だと思います。パス・スキルだと思うんですね。ランニングスキルはサントリーさんとか、いろんな素晴らしい選手がいると思いますが、そういったところではなくて、パスのスキルを今シーズンは磨こうということで、先ずそのパスでラインを切って行けるところまでの能力をつけて行こうとやって来ました。今シーズン春から、スキル的なところで言えばパスの技術をかなり訓練して来ました。
そのパスが放れる選手も、大田尾であったり大西であったり、もちろんいたの訳ですが、パスを自分たちの武器にしようということにプラスして、ノンストップ・ラグビーということは、フィジカル的にフィットネスやコンタクトの部分で、接点で負けないだけの体をしっかり作って行こうということです。それで今年は春から、朝会社へ行く前に、みんなウエイトをやって午後に練習するという2部練の形を取ってやって来ました。
うちは今まで8時からの始業だったんですが、今年はそこを会社に9時からということで理解して頂いて、だいたい7時ぐらいからウエイトを始めて、8時ぐらいまでやって、ご飯を食べて会社に行くということでやっています。
もちろん正社員はしんどいとは思いますが、シーズンが始まるまでは、9時から3時まで仕事をして、4時から練習をしてという形になります。うちは寮にウエイト場があって、ここ(寮)からグラウンドまで15分ぐらい、会社からまた15分ぐらいあって、ウエイトが出来る環境とグラウンドがちょっと離れているので、例えばグラウンドで練習をやって、その後にここに帰って来てウエイトというのはなかなか集中力が保てないということがあります。ですので朝しっかりここでトレーニングを積んで会社に行って、会社が終わった後に練習をする形ですね。この方がたぶん効果的に体が作れるということを、コンディショニングコーチたちといろいろ話しながらやっています。パス練習やこういったフィットネスの効果が、今、出て来ていると思います。
4)今期最も伸びた選手は?
大田尾だと思います。スタンドオフの彼がいちばん伸びました。スキル的な部分、メンタル敵な部分、そしてリーダーとしての自覚だとかですね。
(Q:よく話をしますか?)
話、しますよ。いろんなことを。昨シーズンはゲームに関しては、ほとんど彼の能力に任せる部分があったんですけれど、ゲームコントロールという部分ではもう少し彼に必要なところがあったので、今期はそういったところをよく話すようになりました。
(Q:まだまだ伸びそうですね?)
伸びると思います。ポテンシャルは高い選手なので。彼は大学時代、清宮さんの下でやっていて、清宮さんが考えること、清宮さんのコーチングが彼の頭の中にはあります。そこが非常に大きいんじゃないですかね。
(Q:楽しみですね)
はい、でもそこからどう自分で自立というか、自ら本当に考えて行くというところ、与えられるのではなくて自ら発見して行くというところが、また次のステップになると思います。早稲田で育った選手は、結構“待ち”の選手が多いので、壁が出て来た時に自分で打開出来るだけの力はあるけれど、そこを超えようとしないんですよね。
その状態の選手にすべての答えをあげたからといって、その選手は絶対に伸びないと思います。もがき苦しんで、自分である程度この壁を破って行かなければいけないんじゃないかと思います。
(Q:大田尾選手はそこを乗り越えましたか?)
今その壁を乗り越えつつあるんじゃないでしょうか。大田尾だけじゃないですよ、それは。矢富もしかりで、彼も悩んでいると思います。
5)今シーズン、いちばん印象的な試合は?
どれも結構印象的ですが、負けたゲームの方が強いですかね。三洋戦ですね。三洋戦に関しては、はっきり言って自信はあったんです。過去の成績(トップリーグになって4勝0敗)とかではなくて、今のチームの実力と三洋さんの実力を見て分析した結果、自分たちが本当に自信を持って臨みました。
ある程度、前半でボールを動かして行く中で、自分自身は手応えを感じていました。でも見えないプレッシャーというか、今の三洋はディフェンスが素晴らしいので、そういうプレッシャーに押されてミスを連発したというところと、あとはコーチ陣が上手くコントロール出来ていなかったというところを上手くつかれました。
実際4トライ取られましたが、仕掛けてトライを取られたのが2つ、後は初歩的なミスが2つということで、完全に崩されてトライを取られたとかではなくて、自分たちのミスにつけ込まれました。そこが勿論、三洋の特徴あるところで、ディフェンスからターンオーバーされてという形でした。本当に悔いが残る敗戦です。
(Q:そうするとプレイオフに残れば完全なるターゲットですね)
そうですね。でも今プレイオフのことは何も考えられない状態なので……ただ点差は40-10ということで30点差をつけられたんですけれど、得る物がたくさんあったゲームなので、あのゲームを通して本当に大きく成長出来るのではないかなと思っています。
(Q:今、2位以下が大混戦ですが、各チームは去年に比べてかなりレベルが上がっていると感じますか?)
上がっていると思います。今1位が飛び抜けていますけれど、トップリーグ全体のレベルも上がっているんじゃないかと思っています。本気で強化して行けば、さらに各チームにそう差はなくなるんじゃないかなと思います。
6)サントリーとのこの対戦の持つ意味は?
持つ意味、う~ん………われわれは今37ポイントで、ベスト4ラインが47ポイントなので、4ポイントで勝っても厳しい状況だと思います。逆にサントリーさんは4ポイント取ればベスト4が確実だと思うので、たぶんそういう勝負をして来るのかなという感じはするんですけれど。
ただ僕らは本当に崖っぷちの淵にいる状態なので、われわれは勝つことは最低限で勝つだけじゃぁダメなんですよね。4トライ以上取って勝たなきゃいけないという中で、僕らにとって生き残りを賭けた本当のサバイバルマッチだと思います。これまでやって来たすべてをぶつけて、とにかくアグレッシブに行きたいなという感じです。
相手がサントリーさんで清宮さんなので、僕がいちばん自分自身で目指している方ですし、秩父宮というのも最高ですよね。東京でたくさんの観客の中で、生き残りを賭ける熱い戦いが出来るんじゃないかと思います。
7)ズバリ、勝敗予想そしてスコア予想?
ハハハハハ、ヤマハが4トライ以上取って勝利する、そういう姿をイメージして、今、練習をやっています。
8)ここが見どころというところは?
お互いボールを隠さずに展開を重視するラグビースタイルなので、80分間ボールが止まらずに観客の方々にボールが見え続けて、動き続けるラグビーを楽しんでいただけると思います。ファンの方々はぜひスタジアムに足を運んでください。
9)監督にとってラグビーの魅力は?
チームのために個人が何を出来るのかという自己犠牲の思い、誰かのために自分が出来るという思いを持ちながらプレー出来るという素晴らしさと、ラグビーそのものは15人でやりますが、各ポジションでの役割があります。足が遅くても何かが出来る、どんな体型であっても何かしら貢献出来るポジションがある、そういうところが非常に魅力かなと思います。サッカーなどは足が速くて華麗な、などがあると思いますが、ラグビーは誰もがチャレンジ出来るスポーツであり、しかもチームのために犠牲に出来るところがあります。そういったところがラグビーの魅力だと思います。
(Q:チームのために犠牲に出来るところがいいなと思った出来事などはあるのでしょうか?)
出来事というか、例えば試合前に、泣けますよね、熱くなって。何で泣けるのかというと、例えばラグビーをやって来た自分を支えて来てくれた仲間、一緒にしんどい練習をして来てくれた仲間とか、いろんな思い出があるじゃないですか。決して1人では出来ないものなので、チームとしてチームの仲間と一緒にやって来た何かがあるから泣けるんですね。人が涙を流すという熱い気持ちというのは、たぶんチームのために自分が何かをしなきゃいけない、そういう思いがあるからこそだと思います。
(Q:監督はよく泣く方ですか?)
自分はねぇ、あのー、そうは泣かないですよ。んー、でも涙もろいかもしれないですね(笑)。今まで勝って涙するというよりは、負けて悔し涙を流す方が多かったので、最終的には勝って涙を流したいですけれど、負けても泣けるというのは本当に勝ちたいという気持ちがあるからだと思います。
(Q:結構冷静ですか?あまり怒ったりしないですか?)
いや、んー、結構怒る時は怒りますよ(笑)。まぁ、でも常に自分を出さなきゃいけない部分もあるし、客観的に自分を見なきゃいけない時もあるし、あまり深くは考えていないですけれど。
(Q:選手と監督と、どっちが面白いと思いますか?)
面白いか?やっぱり、僕は監督の方が面白いんじゃないかなぁと思いますよ。監督って、答えがないものじゃないですか。監督の仕事には答えがなくて、答えのない世界の中で答えを導き出すのには、自分しかいない。だから自分たちがこうあるべきだと理想を掲げてやって行きますが、そういう中でチームを作りマネジメントして行く、要するに人を動かす、組織を動かすということなので、ここはたぶん、監督にしか出来ない面白さだと思います。
(Q:スタッフを入れたら60人を1つの方向へ持って行くというのは、面白さもあるけれど大変ですよね)
もちろん大変ですよね。会社から求められているものは、結果を出さなければいけないということで、そこがいちばん大変なところですが、自分の考えていることで組織が動くというところは、大変さより楽しみというか面白さがありますね。しかも自分は去年33歳で監督になって、トップリーグにあまり若いコーチっていないんですけれど、この年齢でやらせてもらっているという有り難さがあるので、大変さというよりも、どんどんチャレンジして行くという前向きな気持ちの方が僕にはあります。プレッシャーは感じますけれど、それ以上にチームが成長して行く過程を見ている喜び、楽しさの方が大きいですね。
(Q:監督が合っているんですね)
いやぁ、結果がね、勝つか負けるの勝負の世界なので、結局勝たなければいけない世界ですから。
(Q:監督という立場から見たラグビーの魅力は?)
こういうチームにしたい、こういうスタイルのチームにしたいと自分が思っているチームに、自分の考えで持って行けるところが魅力です。
(Q:では、自分でこうやりたい、というところに近づいているんですね?)
まだまだですけれど、目の先ばかり見ていたら、絶対に強くならないと思うし、僕は「5年先どうなっているのか?」とか、もう少し長いスパンの先を見た中で、今こうしなきゃいけないというふうに逆算してやっています。目の前だけじゃなくて、もっと先を自分なりに描きながらやっているので、まだまだだと思うんですけれど。
(Q:では先の世界には最強のヤマハがあって、日本代表だらけの選手たちでという…)
日本代表だらけというのは、こだわりはないですね(笑)。もちろん結果的にそうなるのは良いと思うし、もちろんNo.1にはならなきゃいけないのですが、日本の中でもヤマハにしか出来ない、他のどのチームにも真似が出来ないものを作って、という絵はこの辺(と頭の上を指す)にあって、そうしないと行き詰まると思います。常にラグビーも変化して行きますし、ルールも変わって行きますし、本当に近いところだけを見ていたって、良いものは出来ないと思います。
(Q:監督は何年契約とかあるのですか?)
いやぁ、僕は「毎日」じゃないですか(笑)。自分はね、今、社員でやらせてもらっていますので、プロフェッショナルでやっているコーチとは違うと思いますが、でも過去にやはり結果を出せなくてという例はたくさんありますし、それが勝負の世界である以上、当たり前だと思うし、「お前はここまでやれ」とか「何年やれ」とかはまったく言われてません。
だから自分自身は「今日」「明日」、先を見ながらも日々ですね。何年契約だと言われても、誰もがそう思っているんじゃないですか。自分が今出来ることは何か?ということさえ考えていれば、もしそうなったとしても自分に後悔はないし、だから今にすべてをぶつけて行くという感じです。
(Q:そういうリーダーシップへの興味は学生の頃からあったんですか?)
いや、ないですよ。別に特段、リーダーシップをとりたいとかという気持ちはなかったです。ただこのヤマハに入って、このチームで自分が大きく成長出来たので、ラグビーを引退した時に、このチームに対して恩返しというか、本当にこのチームを何とかしたいという気持ちが強くあったので、ラグビーを引退してもチームマネージャーの職に就いたりしました。
監督になりたいと思ってなった訳ではなくて、そうさせてもらった自分がいるので、そしてこのチームが本当に好きなので、恩返しじゃないですけれどその思いだけですね。
(Q:それだけ好きなヤマハの良さは何ですか?)
やっぱり自分を大きく成長させてもらったと思うので、周りの環境もそうですし、周りの先輩は職場の温かさとか、磐田の熱いラグビーのファンですよね、そういう人たちを見ていて、それらすべてがヤマハの良さだと思います。
(Q:サッカーファンとは違う層もたくさんいるんですね)
そうですね、いろんな普及活動を通して、いろんな努力というかやれることをこの10年間ぐらいやって来て、そういう中でサッカーのファンではなくてラグビーのファンが出来始めて来ています。
10)相手監督へのメッセージを
このタイミング言うのはおかしいかもしれないですけれど、今の日本のラグビーって清宮さんにかかってるんじゃないかと思うんですよね。清宮さんもおっしゃられてましたけれど、ラグビーがこの先、日本で生きるか死ぬかという大事な時期だと思うんですね、この5年から10年ぐらいというのは。
会社の今の役員ぐらいの方々ってラグビー世代ですよね。でも50代ぐらいってたぶんサッカー世代なんじゃないでしょうか、ということをたぶん清宮さんも言われていたと思うんですけれど、だから本当にラグビーがこの日本で生きて行くために、強烈なリーダーシップというのは絶対に必要だと思うし、そのリーダーとなりうる人というのは、清宮さんしかいないと思います。
トップリーグがどうのこうの、対戦相手として勝ち負けがどうのこうのというのは抜きにして、ラグビーというスポーツがこの日本で成功するかどうかというのは、今、清宮さんの肩にかかっているのではないかと思います。それぐらい強烈なリーダーシップを持っている人だし、清宮さんだからこそ、その道を切り開いていけるんじゃないかと僕は思っています。メッセージというより、そういうためにも、自分たちもレベルアップして行きたいなという気持ちを、強く持っていますね。
清宮さんは情報発信を今、毎日の様にやっていますよね。そういう熱というか輪を、もっと広げなきゃいけないと思うし、やはり清宮さんだけでは限界はあると思うので、もっとそういう世代の人たちが会話して、コミュニケーションをとってやって行くことが、大事なことだなと思っています。自分に出来ることは何なのか?というところを含めて、もっともっとやって行ければと思います。
自分たちが出来るのは、磐田という土地で、静岡ですからサッカーの地じゃないですか。そこからどうやってラグビーを?というところは、今少しずつ出来てきてると思います。草の根的な地道な普及活動だったり、広報関係ですよね。どうやってラグビーというものを知ってもらうか、見てもらうか、そこからその魅力をどう伝えて行くのかという部分だと思うので、また僕らはホームスタジアムのヤマハスタジアムというのを持っているので、凄くやり易いとは思います。ですからそういう磐田からの情報発信なり、ラグビーの熱を発信して行ける様に、僕らは取り組んで行きたいなと思っています。
(interview & photo: 針谷和昌)
◆サントリー 清宮克幸監督
「バックスも開花する」
1)残り2試合、ここまでの戦いを振返って(きつかった時、順調な時)
この2試合は対戦相手も終盤で、NEC、クボタと戦ったんですけれど、ともに後がないという状態での非常に集中力の高い試合だったので、相手がいい状態でのゲームでサントリーはまぁまぁ何とか底力で勝てましたけれども、そういう試合を経験出来たことが良かったですね。順調というのは2つとも勝ったことが1つ。あとメンバーをいろいろ替えながら、試行錯誤しながらここに来ていますが、替えた選手、先週は菅藤心ですけれど、今週も出られる様な結果を残したことが、この先を見つめても、良い結果でしたね。
2)現状のチーム状況は?
怪我人がこの先、たぶん何人も出て来ると思うんですけれど、怪我人が出ても今まで出ていなかったメンバーが出て、試合でパフォーマンスを出すということが出来ているので、これは非常にいい状況ですね。
3)今期のチームの最大の特徴は?
そうですね、フォワードは確かに結果を今出していますけれど、ポテンシャルはバックスも充分に高いので、お互いが目立つ様な試合をしたいのですが、まだ上手く機能していないという感じです。これから開花するのかなと思います。
4)今期最も伸びた選手は?
尾崎、池谷。
(Q:予想していましたか?)
いや、予想していないですね(※と言いながら隣にいる長谷川慎コーチを見ながら)、プロップコーチのお陰じゃないですか。
5)いちばん印象的な試合は?
んー、まぁ負けた試合ですかね。負けた試合の中に、このチームが変わっていくヒントがあるので。そういう意味で負けた2試合です。
6)この対戦の持つ意味は?
サンゴリアスはこの試合に勝てば、ベスト4入りをほぼ手中にするという大事な試合だし、対してヤマハはここで負けたら終わりというゲームになると思います。そういう意味でも、もうトーナメントですし、そういう試合になると思っています。
7)ズバリ、勝敗予想そしてスコア予想?
ハハハハハ。まぁ、しっかり5ポイント取って勝つ、4トライ以上取って勝つというのが、予想ですね。
8)ここが見どころというところは?
先ずスクラムですかね。今シーズンいちばん伸びているところを、しっかり見てもらいたいのが1つですね。あとはハーフ団が今シーズン初のコンビになります。チームがガラッと変わって、フォワードとバックスのバランスが良くなる様な気がしていますので、その辺りですね。
9)ラグビーの魅力は?(いつも訊きますが)
そうですねぇ、先週、東芝とNECの試合を僕たちメンバーみんなで見まして、NECが予想を覆して勝利したんですけれど、凄い熱い試合で、そのゲームに賭ける選手たち個人の、チームの思いというものが、ダイレクトに見ている人に伝えられるスポーツですよね。そういうところですね。
10)相手監督へのメッセージを
凄い後輩なんですが、たくさん早稲田の卒業生をリクルートで奪って行って、ハハハハハ、しっかり育てろと、ワハハハハハ、冗談。トップリーグの個で目立つ選手がヤマハにどんどん増えて来ると思うので、個性的なチーム作りを期待しています。
(interview & photo : 針谷和昌)
◆ヤマハ発動機 大田尾 竜彦 バイスキャプテン
「いちばん大事な試合」
前節、完敗ということだったんですけれど、(再開した)練習でみんなそれをふっ切るような練習が出来たので、そういう意味では今シーズンの中でのチーム状態としては、今いちばんいいかなと思っています。ふっ切ったところが、凄くいいですね。
(Q:去年はどの相手に対しても競った試合をしていて、今年は勝ち切る時は勝ち切っている印象ですが)
そうですね。その辺はチームのみんなとも良く話しているんですが、やはり点を取れる時に「ここは取り切るんだ」「トライを取るんだ」ということをみんなが分かって来たんじゃないかなぁというのがありまして、それで得点が入る時には大量得点になっているのではないかと感じています。
(Q:そこが分かる様になって来たのは何故ですか?)
練習に取り組む姿勢として、「トライ」というものを凄く意識してやっているんですよ。「トライを取るためにこういう動きをする」「練習でも絶対にトライを取り切るんだ」という意識で、そこが出て来ているのではと思っています。
2)バイスキャプテンとしての悩みどころは?
現状は悩みはなく、好き放題やってるんですけれど、キャプテンの木曽がワールドカップで春から夏にかけていなかったので、その時にはどういうふうな練習をして行こうということを、もう1人のバイスキャプテン(梶村)とよく話をしました。
(Q:去年からバイスキャプテンということで、そういうところには去年から参画しているのでしょうか?)
そうですね、去年よりももっと考える様になりました。去年の言われ方としては「先ずは自分のプレーをやってくれ」ということでしたし、バックスに強烈な外国人選手がいたので、その選手たちと上手くコミュニケーションがとれれば自然と上手くやれたというのがありました。今年はそういう選手たちが抜けてバックスが比較的若くなりまして、そういう中では今期はいろいろなことを考えましたね。
3)バイスキャプテンとしての喜びは?
とくにバックスを僕はリーダーとしてよく見ているんですが、バックスでトライが取れる様になって来たとか、ディフェンスでしっかり前で抑えられる様になったとか、春から取り組んで来たことなので、そういう時は「上手くいってるなぁ」という喜びはありますね。
(Q:バックスリーダーであってゲームコントローラーのポジションですが、自分がミスした時にどう自分を立て直しているんですか?)
それが非常に難しくてですね、スタンドオフなのでキックをよく蹴るんですけれど、キックのミスというのは完全に個人のミスなので、そういう時は非常に落ち込みます(笑)。でもやっぱりそこは引き摺らない様にと、それだけを意識してやっていますね。今までの練習を信じて、「次にやればいい」という気持ちを今年は強く持つ様になりました。
4)バイスキャプテンシーの発揮どころは?
キャプテンがどうしても見れないところというのが出て来ますので、そういうところを感じながらやるというのが、凄く大事なんじゃないかなぁと思ってやっています。
(Q:ヤマハというチームは、先輩後輩は厳しくないんですか?)
もうぜんぜんないですね。ベテランの方が凄く良い環境を作って下さっていて、普通の生活もそうですし、オン・オフ両方ですね。凄く雰囲気作りをやって下さっていて、凄くいいチームだと思います。
5)自分の調子はどうですか?
ちょっと先週、風邪気味だったんですけれど、それがもう良くなったので、今はもう完璧です。
6)今年のチームで自慢出来るところは?
ゲームスタイルとしては、パスの回数がうちは凄く多いかなぁと思います。パスで抜いて行くということを今やっているので、他のチームを見ていてもキック主体のチームが多い中で、スペースを見つけてボールを動かして行くということを、今、うちは出来ているんじゃないかなと思います。
パスをどういうふうに運んで行って、人間がどういうふうに動くのかという練習を凄くやりましたので、それが今、出ているのかなぁと思います。パススタイルのチームとしてコンビネーションプレーの数が自然に増えて来ますので、そういうところを含めたパスの練習は今も多いと思います。
7)この戦いの持つ意味は?
僕たちは勝ち点でギリギリのところに立っていますし、サントリーさんという強豪の上3つのうちの1つと戦うということで、今年のチームのラグビーがどれぐらい通用するのか?それを思いっきりチャレンジする場でもありますし、勝ち点という意味でも、ここを落としたら最後というふうに思っていますので、いちばん大事な試合じゃないですか。
(Q:監督は勝ち点5を取らねばと言っていました)
はい、そうですね、僕も勝利するんだったら勝ち点5だろうなと思っています。守り勝つということは出来ないと思いますので、やはり得点を重ねて最終的に得点で上回るというのが、凄いキー(鍵)だと思いますので、勝つんだったら自然と勝ち点5なんじゃないかなぁと思っています。
8)ここを見てくれというところはどこですか?
とにかく攻撃的にやろうと思っています、自分自身もそしてチームも。ディフェンスでも攻撃的にとにかく前へ出て、アタックではボールを動かしてというラグビーをしようと思っていますので、ぜひそこを見ていただきたいなと思います。
(Q:攻撃的にやるには精神的なものをキープすることも大事だと思いますが、その秘訣はありますか?)
「これ負けたら終わり」っていう気持ちですね(笑)。
(Q:そういう気持ちがチーム全体で統一されている感じはありますか?)
今、凄くありますね。試合前の1週間の練習というのは、その練習でやったことや雰囲気というのが試合に凄く出ますし、とくにうちは出やすいチームだと思います。だから(再開)練習が良かったことが、この試合に向けていいスタートだったと思っています。
(Q:それはある程度コントロール可能なんですか?どうしようもなく悪い時もあるのでしょうか?)
どうしようもなく悪い時もありますね。やっぱり15人、もしくは40人ぐらいが1つのチームとしてやるものですから、自分1人があるいはキャプテンたちが頑張っていても、周りの人に移っていかないことってありますし、どうしてもこのくらいになると、試合に出られるメンバー、出れていないメンバーというのも出て来ますから、そこの出れていない人たちのモチベーションというものは大変だと思います。そういうことを考えても先日の練習は良かったと思います。
(Q:それは悔しさが一致したんでしょうか?)
悔しさが一致したのと、やっぱりまだ「今年このままでは終わりたくない」という、そういう気持ちが出たんだと思いますね。
9)相手のキャプテンへメッセージを
僕が大学の時から一緒にプレーさせてもらっていて、僕の中では「凄い」というイメージがあるんですね。怪我とかで本来の調子に戻っていないというのは、大悟さん(山下)も思っていると思うんですけれど、やはりその中でもあれだけ勝ち続けるチームを作るのは、やっぱりキャプテンシーがないと絶対に出来ないと思いますし、大悟さんも凄く苦労しているでしょうけど自分の持ち味を出していると思うので、今度は試合に出てもらって、お互いに成長したところは絶対にあると思うので、そこら辺を試合の中で感じられたらいいなと思います。
(Q:以前の山下選手を知っている1人として、まだまだあんなもんじゃないという感じですか?)
ほぼ2年間ゲームをしていないというのは、プレーヤーとしてはきついんじゃないかなぁと思いますし、僕の中で大悟さんというのは、本当に攻撃力とかで言ったら日本で1、2を争うと思っています。大学の時も、日本選手権でトヨタとやったんですよね、大悟さんが3年の時に。それで1人でバンバン抜いていたので、「社会人相手にもこの人こんなに通用するんだ」と思ったことを覚えています。やっぱり絶対あんなもんじゃないと思いますし、もっともっと凄いと思います。
(Q:社会人になる時に山下選手のいるサントリーでなくヤマハを選んだのは?)
自分の中でヤマハというのが凄く魅力的だったんですよね。ぜんぜん無名の選手ばかりで関西リーグに優勝したり、トップリーグでも2位とか3位に入ったり。バックスに凄く魅力的な選手が多くて、うちで今コーチをやっているワイサキだったり、デラサウだったり四宮だったり、そういう選手がいるので「あ、このチームでやったら面白そうだな」と思って入りました。
で、来たら全員いなかったんですけれど(笑)、「おい!」と思いましたけどね。まぁ、どこかでもう1回、清宮さんに指導してもらいたいなというのも凄いありますけど、今はこのチームが凄く好きです。
早稲田出身者も多くなって来ていますが、今、三角というのが13番で出ていますけど、髪の毛茶髪で「清宮さんに会ったら怒られるよ」という話をしていて、そうしたら髪切りに行きました(笑)。
(Q:何歳からラグビーをやっているんですか?)
6歳ぐらいからですね、ラグビースクールで、やっていると言っても土曜だけとか土日ですので、本当に触れる程度でしたけれど。親父がやっていたということで、それでやり始めました。
(Q:他のスポーツは?)
バスケットボールを部活で小学校4年生から中学3年生までやっていたんですが、その時は県の選抜とかに行って全国大会にも行ったんですよ。その全国大会を見た時に「このバスケットはちょっと無理だな」と思って(笑)、背が高いというのもありますし、地域性で佐賀県にいたら全国で勝負する機会というのがそんなにないと思いました。そういう意味ではラグビーというのは自分にフィットしたし、全国で勝負しているチームが県内にありましたので、それで選びましたね。
(Q:ラグビーのどこが面白かったんですか?)
面白かったのは、例えば高校の夏合宿とかで、全国から集まるところへパッと行って、試合をしても本当に互角に戦えるんですよね。練習していたことが、そのまま全国レベルの練習でした。自分は中学校の時に県内の小ちゃいところでバスケットをやっていて、全国レベルで勝負したいという気持ちがあったので、「練習していたらそのまま全国レベルで勝負出来るラグビー」が凄い面白かったし、ラグビーの特性のちょっと格闘技の臭いがするのが、またちょっと自分に合っていたので……
(Q:暴れ者なんですか?)
暴れ者だったんです(笑)。だからバスケットは少し物足りない部分もあったし、バスケットも面白かったですけれど、環境とかラグビーの特性とかが、そのまま合っていたなと思いますね。
(Q:山下選手との知らざれるエピソードはありますか?)
大悟さんはたぶんもう覚えてないと思いますけれど、大学1年か2年の時に試合に負けて、卒業する4年生の追い出しの飲み会で、僕は酔っぱらっちゃって、ポジション別にやっているんですけれど、僕はスタンドオフのところからセンターの大悟さんのところまで行って、肩組んで「来年は関東学院を倒すぞーっ!」とか言って、凄く騒いだのを覚えています(笑)。大悟さんは凄く笑っていました。
東京へ行った時は大悟さんとか耕太郎さん(田原)とか、東野もそうですし、よく飯を食べに行ったりするので、僕としてはサントリーは何か他のチームとは感情が違うというのはありますし、いいなという気持ちもありますね。
(Q:ありがとうございました、対戦が楽しみです)
自分も物凄い楽しみです。
◆サントリー 山下 大悟 キャプテン
「チャレンジャーとして思いっきり」
絶好調ですよ。三洋戦の負けからいろいろなことを学んで、そこで出た課題を1つ1つ克服していって、チームに勢いが出て来たと思います。
2)キャプテンとしての悩みどころは?
そうですねぇ、まぁ、絶好調です。
(Q:ない、ということですね?)
はい。
3)キャプテンとしての喜びは?
ま、これからでしょうね。
4)キャプテンシーの発揮どころは?
やっぱりバランスを取るところじゃないですか。監督と選手の。
(Q:選手の中のバランスは取れていますか?)
選手の中のバランスは取れていると思いますよ。問題ないです。
(Q:監督と選手のバランスというと、例えばどういうことでしょうか?)
監督の1つ1つの発言を分かり易く説明したりだとか、チームがやろうとしていることをいちばん理解して、選手が迷っている時とかは、ベクトルをしっかりいい方向に向けるというバランスですね。
(Q:去年よりもその作業は多いんですか?)
はい、勿論多いです。
(Q:それは今年は自分もプレーするからということでですか?)
そうですね。去年は勢いだけで勝っていたので、今年はそうも行かないので、自分が復帰したということもありますし、より深く自分たちがやろうとしていることを理解しないといけないなと感じているんで、監督が提示したことに対して、選手に落とし込むという役割もありますし、逆に選手が疑問に思っていることとかを、上手くベクトルをチームの方向へ向けて行くという作業をしています。バランスを取っています。
(Q:シーズンの中でもそのバランスを取るのが大変だったりそうでもない時があるでしょうが、今はどうですか?)
今はやり易いですよ。
5)自分の調子はどうですか?
絶好調です(笑)、ハイ。
(Q:前に聞いた時は60%と言っていましたが、じゃあ100%に近いですか?)
いや、まぁ、85%ですね(笑)。
6)今年のチームで自慢出来るところは?
うーん、フォワードのセットプレーが強い、素晴らしい。こだわっている部分が、体現出来ています。スクラムであったり、ラインアウト・モールであったり。
7)この戦いの持つ意味は?
負けられない試合。負けられない試合が続いている中で、とくにヤマハは去年、負けた時も1点差だし、勝った時も1点差なので、毎年そういう勝負をしているチームなんですよね。で、トップリーグでは過去4年、まだ1度も勝っていないんです。0勝4敗なんですよ。
フォワードも物凄くひたむきにやって来るし、バックスも大田尾選手を中心に、スペースの使い方とかランニングスキルなのが非常に素晴らしいので、過去4回負けているという意味で、チャレンジャーとしてサントリーのラグビーを思いっきり出したいなと思います。
ヤマハの選手は1人1人が本当にひたむきで、素晴らしいですね。なのでうちもひたむきさを前面に出して、思いっきりチャレンジしたいと思います。
8)ここを見てくれというところ
選手が生き生きと楽しそうに躍動している姿を見てもらえればと思います。
(Q:一時期、そういう感じがなくて、最近だんだんまた出て来た様に感じますが)
それは見ている人が感じてくれればいいと思いますし、やっている僕らも楽しいです。
9)相手のバイスキャプテンへメッセージを
大田尾選手、熱い試合をしましょう。大田尾選手は本当に素晴らしい選手なので、試合出来ることが大変楽しみですし、いつも大田尾を見ていい刺激をもらっているので、お互い頑張りましょう。
(interview & photo : 針谷和昌)
◆1/26 (土) 14時キックオフ
サントリーサンゴリアスvs.ヤマハ発動機ジュビロ
於/東京・秩父宮ラグビー場



