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Posted in diary on 1 月-31-2008

先日の日本経済新聞に「ラグビー新ルール実験」と題して、来年秋から施行される新ルールの実験を筑波大、流通経大で行うことを日本ラグビー協会が決めた、という記事が載りました。新ルールは(1)スクラム時の守備側のオフサイドラインを5m後退させる(2)モールを守備側が崩すことを許可する(3)ラックでの手の使用を拡大する、等が主流とのことで、このことについて清宮監督に話を訊きました。

── 新ルールを採用すると、より攻撃的なラグビーになると新聞には書いてありますが、監督から見てこの改訂によって、やはりラグビーは変わりますか?

変わりますね。これでいちばん変わることというのは、インプレーの時間が変わることです。今までだと例えば80分のうち、ストップウォッチで計ると30分は休んでいる、実際に動いているのは50分というところが、10分ぐらい伸びたりするのではないでしょうか。今オーストラリアで実際にテストしているケースだと、インプレーの時間が5分だったり10分だったり伸びているということです。

それで何が起こるかというと、スクラムを軽視して、動ける選手をゲームに出すようになってくるということです。リーグラグビー(※1)に近くなってくるということですね。

※1【リーグラグビー】Rugby league Football
1895 年ラグビー ユニオンから分裂し、組織化された13人制で行うラグビーゲーム。
(以上、JRFU用語集より)

── そうするとフォワードの選手の特徴が変わってくるということですね?

そうですね。だからスクラムが軽視され、ラインアウトでモールを倒していいとなると、人が集まらないラグビーになります。スペースがあるから抜く作業をするのですが、スペースがなくなると、人は当たるんですよね。そうすると創造性がなくなる、よってリーグラグビーに近づくということです。

── 大きな目的はインプレーの時間を多くするということですね?

そうですね。ボールデッドの時間を少なくして、面白くするということです。

── 監督が考えても面白くなると思いますか?

今、もみ合ったり団子状態の時間が凄く長いということがあると思いますが、ラグビーのルール変更というのは歴史的にも行われていることで、これほどルールが変わるスポーツというのも珍しいと言われています。今回のルール改正はラグビー憲章に「すべての人々に平等にラグビーを楽しむ権利を与える」的な理念があるのですが、そこに違反するのではないか?という感じがありますね。要は太っていたら、もう試合には出られないよ、ということですから。走って当たれることが大事だ、ということになるということです。そうなると「ラグビーじゃない」とエディーさん(ジョーンズ)も言っていました。

── 今テストしている訳で、このまま行くとは限らない訳ですね?

そうですね、筑波大、流通経大がテストをやる前に、既に去年からオーストラリアでやっていますし、今年は南アフリカがぜんぶこれでやると言っていますし、スーパー14も一部、モールのコラプシング(※2)は許さないですけれど他のルール変更はするみたいですね。

※2【コラプシング】collapsing
故意にスクラムを崩すこと、または崩すような姿勢、動作(collapsingof scrummage)
(以上、JRFU用語集より)

まぁ1年間、世界的にいろいろな場所で試行錯誤した後、2009-2010のシーズンからトップリーグでのルールも変わります。2008-2009のシーズンは変わりません。南半球は2008スーパー14を新しいルールでやりますが、テストマッチは旧ルールでやります。そういう移行期ですね。

── では2シーズン後のトップリーグでどう変わるかは、まだわからないですね?

わからないですね。何が残って何が変わるか。たぶん僕はスーパー14がやっているルールが採用されると思いますけれど。

── スーパー14は今回のルールとも違うんですね?

モールのコラプシングがダメですし、ラックで手を使ってもダメですね。ですからこの新聞にあるように1番目の項目は変わったとして、もっと大きく変わるのは、22mラインに入ってからのキックがタッチキックだったのが、ぜんぶダイレクトキックになるというところです。自分たちが持ち込んだボールがぜんぶダイレクトキックになると、ノータッチを蹴るようになります。ノータッチを蹴るようになるということは、インプレーが長くなります。

要は相手を自陣の奥に釘付けにできるということです。相手はそこから逃げるためにノータッチを蹴るから、今度はそこからのカウンターアタックが重要になってくる訳です。エリアを取ったチームがずーっとエリアを取っていて、相手はエリア挽回をするチャンスが少ないということです。

今まではキックでエリアを返していましたが、でも今度はノータッチを蹴るから、チェイスをしなければいけないし、ボールを取った方は攻めることができるので、また22m内に入って行きやすくなります。そうなると今まで以上に体力がいります。よりフィットネスが必要になってきますね。

(清宮克幸の監督室 第268回) [聞き手&写真:針谷和昌]




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